自宅を事務所として使用する場合、住宅ローン控除の居住用割合の変更に注意!
- 投稿日:2020年12月10日
- カテゴリ:税金取扱い

自宅を事務所として使用する場合、住宅ローン控除の居住用割合の変更に注意!
中小企業などでは、節税対策の一環として、社長が自宅の一部を事務所として使用し、会社から家賃をもらう場合があります。また、個人事業主の場合では、自宅の一部を事業で使用し、事業割合を用いて経費計上する場合があります。このような場合、正確には、住宅ローン控除の居住用割合に影響がありますので注意が必要です。それでは、詳しく確認していきます。
質疑応答事例では
質疑応答事例では、店舗から住居に変更した場合の事例が掲載されていました。
税務署資料より
その他下記もご確認ください。
条文・通達でポイントを確認
●住宅ローン控除は、二分の一以上居住の用に供していなければならない
住宅ローン控除は、要件の一つとして、二分の一以上は、居住用でなければなりません。なので、事務所として使用する割合が50%超となると住宅ローン控除の適用そのものがなくなります。
第二十六条 法第四十一条第一項に規定する住宅の用に供する家屋で政令で定めるものは、個人がその居住の用に供する次に掲げる家屋(その家屋の床面積の二分の一以上に相当する部分が専ら当該居住の用に供されるものに限る。)とし、その者がその居住の用に供する家屋を二以上有する場合には、これらの家屋のうち、その者が主としてその居住の用に供すると認められる一の家屋に限るものとする。
一 一棟の家屋で床面積が五十平方メートル以上であるもの
二 一棟の家屋で、その構造上区分された数個の部分を独立して住居その他の用途に供することができるものにつきその各部分を区分所有する場合には、その者の区分所有する部分の床面積が五十平方メートル以上であるもの
●計算方法
居住用以外で使用している部分がある場合の計算方法については、条文では次のように記載されています。
第二十六条
6 法第四十一条第一項の個人が新築をし、若しくは取得をした同項に規定する居住用家屋若しくは既存住宅(その者の住宅借入金等にこれらの家屋の敷地の用に供する土地等の取得に係る住宅借入金等が含まれる場合には、これらの家屋及び当該土地等)又は同項に規定する増改築等をした家屋の当該増改築等に係る部分のうちにその者の居住の用以外の用に供する部分がある場合における同項の規定の適用については、次に定めるところによる。
一 当該居住用家屋又は既存住宅のうちにその者の居住の用以外の用に供する部分がある場合には、当該居住用家屋の新築若しくは取得又は当該既存住宅の取得に係る住宅借入金等の金額は、当該金額に、これらの家屋の第一項各号に規定する床面積のうちに当該居住の用に供する部分の床面積の占める割合を乗じて計算した金額とする。
二 当該土地等のうちにその者の居住の用以外の用に供する部分がある場合には、当該土地等の取得に係る住宅借入金等の金額は、当該金額に、当該土地等の面積(土地にあつては当該土地の面積(第一項第二号に掲げる家屋の敷地の用に供する土地については、その一棟の家屋の敷地の用に供する土地の面積に当該家屋の床面積のうちにその者の区分所有する部分の床面積の占める割合を乗じて計算した面積。以下この号において同じ。)をいい、土地の上に存する権利にあつては当該土地の面積をいう。以下この号及び第二十四項第二号において同じ。)のうちに当該居住の用に供する部分の土地等の面積の占める割合を乗じて計算した金額とする。
三 当該増改築等に係る部分のうちにその者の居住の用以外の用に供する部分がある場合には、当該増改築等に係る住宅借入金等の金額は、当該金額に、当該増改築等に要した費用の額のうちに当該居住の用に供する部分の当該増改築等に要した費用の額の占める割合を乗じて計算した金額とする。
通達では、より詳しく計算式が示されています。
41-27 自己の居住の用に供する家屋のうちに居住の用以外の用に供する部分がある場合には、当該家屋に係る措置法令第26条第6項第1号又は第2号に規定するその居住の用に供する部分及び当該家屋の敷地の用に供する土地等のうちその居住の用に供する部分は、次により判定するものとする。
●居住用部分の割合が90%以上 ⇒ すべて居住用として計算します
居住用部分の面積割合が90%以上である場合には、すべてを居住用として計算します。なので、事務所割合が10%以内であれば、住宅ローン控除の金額には影響はないということになります。
41-29 措置法令第26条第6項の規定は、その家屋又は当該家屋の敷地の用に供される土地等のうちにその者の居住の用以外の用に供される部分がある場合に適用されるのであるが、41-27により計算したその者の居住の用に供される部分の床面積若しくは土地等の面積又は増改築等に要した費用の額がその家屋の床面積若しくは土地等の面積又は増改築等に要した費用の額のおおむね90パーセント以上に相当する面積又は金額であるときは、同項の規定にかかわらず、その家屋の床面積若しくは土地等の面積又は増改築等に要した費用の額の全部がその者の居住の用に供する部分の床面積若しくは土地等の面積又は増改築等に要した費用の額に該当するものとして措置法第41条第1項又は第6項の規定を適用することができるものとする。
手続きは、確定申告で
居住用割合の変更があった場合には、再度、住宅借入金等特別控除額の計算明細書の提出が必要になり、確定申告しなければなりません。年末調整では、変更できません。(住宅借入金等特別控除証明書の居住用割合は印字済み)
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