税理士開業1年目の試練
- 投稿日:2018年09月05日
- 最終更新日:2020/03/25
- カテゴリ:ブログ

税理士開業1年目の試練
証券会社や会計事務所でのサラリーマン経験を経て税理士として独立したわけですが、独立当初は、顧客ゼロからのスタートでした。ただ、私の場合、証券会社(運用担当)時代に給料が良かったことと貯金をする癖がついていたため、開業当初、資金が3,000万程度ありました。
ダイレクトメールで顧客開拓を試みるも・・・
その余裕のせいか、客が全くいないにも関わらずいきなり都心部に事務所を借りてダイレクトメールを送るというプランをたて結構お金がかかるようなことをしてしまいました。今振り返るとお金をかければ上手くいくみたいな思考で典型的な失敗パターンです。
ダイレクトメールを郵送する場合、封筒代・郵便代・名簿代を合計すると、自分で印刷して安く仕上げたとしても、1通につき最低100円~150円はかかります。初期投資だからという思いもあって、当初は、月に30万円程度かけダイレクトメールを郵送しました。
30万円分ダイレクトメール郵送した結果、なんと反応はゼロ!本当に返信も問い合わせも全くありませんでした。
反応がゼロだと分析の余地がないので、次に思い切って、超お得な価格でダイレクトーメールを送ってみましたが、またまた反応ゼロ!魚のいないところで、釣りをしているような感覚になりました!!(今でも、魚釣りをして全く釣れないと、この時のことを思い出します。)
会計業界は、飽和状態なので安値をうたったダイレクトメールが新規開業者を中心に数多く送られてきます。おそらく追加料金でそこそこの金額になる場合がほとんどだと思いますが。私の場合は、当時は本当に安値でした・・・。今振り返ると、送るタイミングや記載内容など、まだまだ改良の余地はあったと思います。はじめは、金額を抑えていろいろ試していくのがセオリーだと実感しました。
証券会社の営業時代も、ダイレクトメールを送った経験があり、1,000通郵送して問い合わせが1-2件あったら良いという感じだったのである程度は覚悟していましたが、ここまで反応がないとお金をどぶにすててるような感覚になり、さすがにキツかったです。会社の経費でダイレクトメールを送っていた頃と、自分のお金で送るのでは、反応がないときのキツさが全然違います。
余談ですが、当時、FAX番号が、地方銀行のFAX番号と一字違いで、「お客さんからの問い合わせかな」と期待をして確認すると、地方銀行への融資申請のFAXが間違って送られてくるということが何件かありました。そのたびに、必要なかったかもしれませんが折り返し連絡していました。結局、その時に借りていた事務所では間違いFAXしか来ずさんざんでした。
東日本大震災が起きる
そんなとき、あの東日本大震災が起きて「日本がダメになるんじゃないか?」みたいな雰囲気になりました。自分が住んでいた地域も液状化や水道が止まったりとなかなか大変な状況になりました。放射能の問題もあったので、数か月間はこの先どうなるんだろうという雰囲気だったのを覚えています。自分の場合、客が全くいない状況だったので尚更でした。
お金をかけず地道な努力が意外に効果あり
なので、しばらくは顧客開拓をできるような状況ではなかったので、とりあえず様子をみるために借りたばかりの事務所を解約し、当時住んでいたところを自宅兼事務所に変更しました。さらに、お金がかかるダイレクトメールもやめ、お金をかけずにホームページから地道に顧客を開拓するスタイルに改めました。当時は、先が見えない状況だったので、とにかく支出を減らしました。新聞なども解約し、震災後半年間は一度も飲みに行きませんでした。
ただ、時間だけはあったので、ホームページのSEOを勉強し、とにかく地域で上位表示されるように試行錯誤しました。当時は、自社のホームページを他社にリンクしてもらうということが効果があったので、1件1件メールで依頼していきました。(現在は、グーグルの評価方法が変わり、相互リンクはあまり効果がありません。)また、記事を書いてホームページのページ数を増やしていくことで、長期的に良い評価が得られるとのことで、2~3日かかって1ページ作成できるかどうかのスピードでしたがページ数を増やしていきました。その結果、1年目の後半あたりから、震災の影響もある程度落ち着き、問い合わせの方も増えていきました。今振り返ると、自分でもよく耐えたなと思います。
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